有始有終の橋

 

安城農林高校の校庭に入るには、赤子用水に架けられた橋を渡らないと行けません。
橋を渡ると校門があり、校舎玄関へと続いています。この橋を有始有終橋と呼んでいます。

いつ頃からこう呼ぶようになったものかはっきりしていません。どうも当初は有終橋と呼ばれていたようです。
山崎校長の「有終之誉」という書が残されています。
その後、いつの時期か有始有終橋と名付けられることになりました。

この橋を渡るものは、人生には初めがあれば終わりがあることを自覚し、
何事も全力でやり遂げていかねばならないことを、終生の教訓として心に刻み込まされることになりました。

この橋は、木橋であったことから、2回ほど掛け代えられることになりましたが、1959年(昭和34)9月26日の伊勢湾台風により被害を受けたことから、陸上自衛隊豊川駐屯地建設大隊により、橋梁新設工事がなされ、立派な永久橋となって現在に至ります。

校舎を正面にして、橋を渡る右手前の橋柱に「有始」、左反対の橋柱に「有終」の文字が刻まれています。
現在、橋の袂の庭園に、 初代校長山崎延吉先生(我農生)の揮ごうになる「有始有終」の碑が建てられています。
これは本校卒業生水谷繁男(農科41回卒)が、私財を投じてたてたもので、沓石は、鳳来寺の第二演習林から運んだものです。

「有始有終」の出典については、「詩経」大雅に
靡不有初・・・初め有らざるは靡なく
鮮克有終・・・克よく終わり有るは鮮すくなし
と、説いています。これによって橋は命名されたのです。