アールスメール花市場

紹介

「フローラ・ホラント」=生花市場はオランダに6か所あるが、ここ、アムステルダム郊外のアールスメールの市場が最大のもの。総面積は8万8000平方メートル、1日の取引量は2000万本、年間では50億本、45億ユーロもの生花が取引される。オランダ産に限らず、ケニアやイスラエルなど世界中から集められ、80%が隣のスキポール空港から輸出される。

世界で一番大きいとされるアールスメール花卉市場。入口ではたくさんの綺麗な花々に迎えられました。見学用通路をふと見上げると様々な国の言葉で「アールスメールからのオランダの花」というパネルがずらりと並んでいました。
 案内人のアンネさんの引率の元、見学が始まると大量の色とりどりの生花がコンテナに詰められて移動しているのを見ました。それを颯爽と電気バイクですいすいと移動させていく職員の方々。すごいスピードで市場内を回っているのに誰ともぶつからないことにとても驚きました。
 ここで移動されている花卉は既に競りで購買されたものだそうです。ここではトラクタなどの乗り物にはガソリンを一切使わず、電気機器を扱うそうです。花にはガソリンの排気がよくないそうで。世界の花市場の殆どを占めるこの市場。世界の花の値はアールスメールで決まるなんて云われるそうです。花の世界のど真ん中。

 2008年までは独立した規模8万8000㎡だった市場は併合して敷地面積10万㎡になったとか。サッカー場250個分なんていわれてもピンとこない広すぎる市場です。そんな市場内には自転車がちらほらとありました。こんな広すぎる空間を歩いていくなんてことはないんですね。
 花の耐えられる室温や明るさをテストするラボや、業者のところへ素早く運べるような宙づりのトロッコなど興味深い施設ばかりでした。橙色屋根の市場は昔の最初の鉢物の市場だったそうです。今の市場と比べるとかわいらしい感じがします。
 生産者が組合員で、ここはオランダ人を主にドイツ、エチオピア、エクアドルなどからの外国人600人ほどが働いているそうです。
 業者が集まってパネルと自分のパソコンとでにらめっこしているところがありました。秒の速さで次々とパネルの花が変わっていくのを見ていると、競りの世界は忙しいな、なんてのんきなことしか考えられませんでした。
 花の仕事、ということで女の人が多いのかな、なんて思っていましたが、実際働いている人たちは男性が多く、また、競りの現場でも男性女性がどちらも多かったことに少し驚きました。私たちが見学にいった時間は競りが終わった頃ぐらいで花も少なかったそうですが、それでも滅多に見られないらしい現場を見学することができてとても良い経験になりました。(2年生徒)


 セリが始まった1900年頃から1911年頃までは最初に値段をつけておいて、そこから値段を下げていくというセリのやり方でした。しかし、1911年頃以降は、値段を下げていくというやり方ではなく、値段を上げていくというやり方にし、今でもこのやり方でセリが行われています。
 1968年に花と鉢が一緒になり、ここの市場が1972年に作られました。2008年までアールスメール市場は独立していましたが、世界と戦えるように他の市場と合体しました。今では敷地10万平米、名前もフローラホーラントとなりました。
 だいたい夕方の6時から朝の4時の間で生産者が花を持ってきて、花の質やくきの長さ、生産者の名前などはコンピュータで管理しています。セリもコンピュータでやっているので、直接市場に行かなくてもよい。平均的な花の値段は、20~23セントだが、最低値は4セントくらいで、写真は当日のもの、もしくは前日のものです。花の輸出先は、20%が国内で、80%がヨーロッパです。
 生産者が花を持ってきてからセリに出すまでの時間が約2時間ということを聞いて、仕分けの時間がとても早いなと思いました。そして働く人達が花に対しとても大切にあつかっている姿を見て、私も花だけに限らず、全てのものを大切にしようと改めて思いました。
 セリをコンピュータでやる所を見て、最初は本物を見ていないのに、どうやって花に出す上限金額を決めるんだろうと不思議に思っていたのですが、ランクや品質などが書いてあるので安心して買えるんだなと思いました。(2年女子)