2017年の夏休み、ニュージーランドで語学(英語)研修を受けてきた生徒がいます。学校からの派遣ではありませんが、とても充実した数日間だったようです。研修の様子を本人の文章で紹介します。
ニュージーランド 語学研修 2017
1 チャレンジの目的と内容
私は、株式会社留学ジャーナルを通じて9日間ニュージーランドのオークランド、パウタキに行きました。平日の5日間現地の語学学校に通い、帰国する前日にパウタキの肉牛、乳牛農家の見学に行きました。私はこの留学に向けて主に2つの事を目的に活動しました。まず、外国の文化や考え方を実感し周りに伝えるということです。私が外国に行きたい、外国の人と交流したいと周りに言うとよく思わない人も一定数います。先入観に囚われ怖いなどとマイナスなイメージを持ってしまうのです。従って私が実際に行ってその事を実体験を交えて伝えていきたいのです。次にニュージーランドの農業を学ぶことです。ニュージーランドは酪農が盛んなのでぜひとも取り込んでいき、日本でも活かせるところがあれば活かしていきたいと思いました。
2 ニュージーランドに対する理解や印象
オークランドの印象
初日は、8時頃オークランド空港に着き、ホームステイ先へ向かいました。そしてホストダディと語学学校までの道のりの確認、バスチケットの買い方などを教えていただくためにオークランド市内まで行きました。市内はとても活気があり、ストリート演奏や催し物がたくさん行われており、まるで別世界に来たようでした。1番驚いたのが国営の交通機関(ATメトロ)で統一されている事です。日本では、名鉄、JR、市営地下鉄などたくさんの会社が運営してますが、なんとATメトロのみだそうです。バスや地下鉄があり15分に1度はバスが来ます。駅もたくさんあり、車がなくても困らないと思います。また、歩道が広く整備されており事故が少なく、歩きやすい、安心できるという印象を受けました。
語学学校
2日目から5日間、語学学校に通いました。たくさんの国の人が通っています。ロシア人、イタリア人、ブラジル人にアラビア系の人...短い期間で多くの人と交流しました。そしてたくさんの違いや共通点を知ることもできました。特に私はロシア人の姉妹と仲良くさせてもらいました。冬将軍の事、ご飯の事、ロシアでの学校の事、たくさんの事を話しました。その子たちに話の成り行きでホッカイロをプレゼントしました。実際に暖かくなったホッカイロを見てすごく喜んでくれてたくさんありがとうを貰いました。2人と行動させてもらってとても心が暖かくなりました。人種、生まれたところが違ってもちゃんと繋がれる、話して笑い合うことはできるということが改めて分かりました。
ホストファミリー
この9日間でホストファミリーにも良くしていただきました。英語がたじたじな私をフォローしてくれたり理解しようとしてくださいました。ホームステイ先にもう一人タイから留学してきた女の子がいました。その子も通学時困っていることがあれば助けてくれたり、授業後は一緒に買い物したりとても良い友達でした。私は一人で留学して知り合いのいない中、不安でしたがホストファミリーやタイの女の子、前述したロシア人の姉妹、そして現地の先生方に助けていただいた結果、有意義な時間を過ごせました。
先住民マオリの文化
午前中学校で英語を、午後はニュージーランドの文化を学びました。その中で1番記憶に残ったのがマオリ族のショーです。マオリ族とはオセアニアの部族で狩りを中心にして暮らしていたそうです。今ではマオリ族のダンスなどは文化財として保護されています。踊りを見学して、とても距離が近く迫力がありました。一緒に写真を撮らせていただき少し話させていただきました。出演者の皆さんはすごく人柄がよく、どんな質問にも快く答えていただきました。現在の人ではなく昔広く分布していた民族の事を知るのも、私が目的にしていた文化を知る、人を知ることだと思います。マオリ族のショーの後に博物館を見学しました。戦争のこと、ニュージーランドの風土のこと、火山のこと、たくさんのことを学びました。第二次世界大戦のことがこと細かく書かれ、軍服が飾られ、兵士の日記がありました。戦争がなければ幸せに暮らせただろうに妻子を置いていかなければならないのは辛かったろうと思いました。もし戦争がなく、戦争で死んでしまった人が生きていたらと考えると胸が痛いです。
授業後の過ごし方
授業後はタイの子とスーパーマーケットに行ったり、お土産屋に行ったりしました。その他にも教会に行きました。スーパーマーケットは肉、果物が特に安かったです。果物は様々な大きさがあり、1人の時でも買いやすかったです。道路や建物はヨーロッパ建築が多く、白に鮮やかな色の屋根という建物が多かったです。しかし、都市部では最新の建築を使ったビルが多く、大通り付近は真新しいビルが並んでいました。一本奥へ入るときらびやかなヨーロッパ建築で通路には移動販売の出店があり、商店街に近い雰囲気でした。5日間という短い間でしたが学校内での授業や授業後での生活はとても学びが多かったです。オークランドはとてもワクワクするような都市でした。
農家訪問
土曜日にパウタキに行きました。実際に肉牛や乳牛農家に訪問し、ファームワークをしながらたくさんのことを学びました。パウタキまでオークランドからバスを乗り継いで1時間半なのですが、その間、偶然乗り合わせたおじさんやおばさんとお話ししていました。乗り合わせた人たちはとても優しくニュージーランドの田舎でのバスに乗る時の注意点を教えていただきお菓子もいただきました。すごくフランクでオープンな方々だなと思いました。午前8時くらいに着き農家の場所を人に聞きながら行きました。前準備をあまりせず、当日人と話しながら聞きながら手探りで行くのは楽しかったです。英語の勉強にもなったし、色々な人と話せて今回の目的にそった行動ができました。何とか肉牛農家にたどり着くことができ、見学と餌やりや牛の寝床の掃除をしました。普段学校では乳牛で繋ぎ飼い式なのですが放し飼い式の肉牛も牛が楽しそうで私も嬉しかったです。他にも農場主からたくさんの事を教えていただきました。牛の餌(サイレージ)の作り方や肉牛の事などを教えていただきました。そして農場主は肉牛だけではなく知り合いの農家を回って、馬や乳牛、羊を見学させていただきました。馬は競馬で使われている競走馬育成所を。乳牛は数百頭育てている農家の所へ連れて行ってくださいました。ほとんど見ず知らずの私を快く受け入れてくださり想像以上のことを学ばさせていただきました。感謝の気持ちでいっぱいです。
3 生活及び成果の還元
今回、人の暖かさにたくさん触れて、外国の人だからといってマイナスなイメージを持つべきではないという私の意見に確信を持つことができました。私は今後たくさんの人に出会うと思います。その中に外国の人に恐怖心や嫌悪を抱いている方と出会うかも知れません。その時にはこの体験をもとに説明していきたいです。会うことがなくても、この事を1人でも多くの人に伝えていきたいと思います。また、農業は楽しいということを機会があったら知識や技術よりまず先に伝えていきたいと思います。
Photo また、農家訪問の中で1番記憶に残ったのが「 Happy farm Happy life 」という言葉です。農業は技術も大事ですが何よりもどれだけ幸せでいられるかが重要だということを再認識されました。私は技術を学ぶことしか頭に無かったのですが、今回農業を学ぶということは農業の知識を学ぶのではなく、農業のhappyを学ぶという印象に大きく変わりました。それと同時に現代日本で必要なのは技術でも知識でもなく楽しさなのでは?と思いました。ですから、これから農業を始めたいと思っている人、現在農業を学んでいる後輩、今農業をしている人、全ての人に「
Happy farm Happy life 」を伝えていきたいと思います。
4 進路や目標
私は今回の留学で色々な国の文化や思想を理解できたと思います。私たちの良いところ、外国の人の良いところ、それぞれの良いところを見つけることができました。今後も留学してもっと良いところを見つけそれを発信していくことができればいいと思います。
これから日本と外国との農業交流などがあったら参加し、視野をもっと広く持ち、日本と海外、農業と人を繋ぐかけ橋のような存在になりたいです。
また、今後たくさんの外国の人と交流する機会が増えると思います。もしかしたら、外国の人で日本のことをよく分からない、あまり良く思わないと思う人に出会う機会があるかもしれません。その時は今回の留学を通して外国の良いところを探すだけではなく、そこから日本の良いところを見つけたい。そして外国の人に伝え日本を好きになってくれたり興味を持ってくれたりして欲しいです。
これらの事を達成するために自分の言語の幅をもっと広く学び、英語圏だけではなくヨーロッパ圏、アジア圏、たくさんの地域に行き視点を増やし、いろいろな人に伝えていきたいです。(3年女子)
なお愛知県教育委員会では、このように海外研修をこころざす生徒を応援するため、費用の一部を補助する制度を設けています。関心のある方は、研修部・国際交流担当まで問い合わせてください。(諸条件あり。毎年4月ころ募集。)